孫に不動産の名義変更をしたい

死後の相続相談で「孫に不動産の名義変更をしたい」という方が結構いらっしゃいます。

 

まず、孫も相続人とおもわれている方がいらっしゃいますが、違います。子がいたら子は相続人ですが、孫は相続人ではありません(ただし、子が孫より先に亡くなっていたら孫が相続人です・代襲相続)。したがって、被相続人であるおじいさん・おばあさんから孫に直接相続による名義変更(所有権移転登記)はできません。

 

もし、本当に孫に名義変更したいのであれば、一旦相続人である子や妻などに名義変更(所有権移転登記)してから、さらに子から孫に贈与による名義変更(所有権移転登記)をすることになります。いわゆる生前贈与です。なぜならこの場合、被相続人であるおじいさん・おばあさんから子へと、次に子から孫へと不動産の所有権が移転しており、不動産登記簿には権利変動の過程を忠実に再現しなければならないからです。

 

ここで注意しなければならないのは、贈与税がかかる可能性があるということです。また、不動産取得税がかかる可能性もあります。さらに、相続の5倍の登録免許税がかかってきます(不動産の名義変更の際にかかる税金)。

そこで、「いま贈与した方がいいのか、あるいは贈与せず不動産の名義人が亡くなるまで待ってそのときに相続による名義変更をした方がいいのか(生前贈与すべきか否か)」という問題がでてきます。

結論からいいますとケースバイケースです。将来相続税がかかるのか、どのような財産をどれくらい持っているのか、当該不動産の評価額が上昇する見込みがある・あるいは下落する見込みがある、いま贈与しておかないと相続の時に相続人間で争いがおこりそうか、などの諸事情により結論がかわってきます。

例えば多い事例ですと、財産があまりなく相続税がかかりそうにない方であれば、相続時精算課税制度を使えば2,500万円までの贈与なら贈与税はかかりません。結果、相続税も贈与税もかからないことになるので贈与をしておくメリットがあるといえます。

ところで、「相続税よりも贈与税の方が高いから贈与するのは損」というようなことをよく耳にするとおもいます。しかし、実はこれは正しくありません。たしかに、相続税がかからず相続対策が不要な方にとってはその通りとおもわれます。しかし、財産を多く持っている方は贈与の方が有利なことが多いのです。

 

生前贈与すべきかどうかの判断は複雑で難しいので是非とも専門家に相談してみてください。

 

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