誰が相続人となるのか?

前回3月21日のコラムを読まれたお客さんから、「相続人に絶対に保証される取り分(遺留分)」の前にそもそも誰が相続人となるのかを説明した方がいいのではないかとアドバイスを頂きました。なるほど、私も司法書士になる前は誰が相続人となるのかを知りませんでした。そこで今回は、ある方が亡くなった場合に、誰が相続人となるのかを説明させていただきます。

 

まず配偶者は常に相続人になります

婚姻関係にある場合に限られます。内縁や離婚した元配偶者は相続人とはなりません。

配偶者以外に相続人がいない場合は配偶者だけが相続人となり、他に相続人がいれば配偶者とその者が相続人となります。

 

次に、第1順位から第3順位の相続人が決められています。第1順位の相続人がいれば第1順位の方だけが相続人です。第2順位の方は、第1順位の方がいない場合にだけ相続人となります。第3順位の方は、第1順位・第2順位の方がいない場合にのみ相続人となります。いずれの場合も配偶者は常に相続人となります。

 

第1順位の相続人は子です。

子は全員が相続人となります。子には実子のみならず養子も含まれます。

ここで注意しなければならないのは、婚外子がいる場合です。いわゆる隠し子です。実際に戸籍を調査していると隠し子がみつかることがあります。もし相続人が隠し子の存在に気づかず遺産分割をしてしまった場合、遺産分割協議のやり直しになってしまいます。遺産分割協議は相続人全員でしなければならないからです。注意しましょう。

 

もし被相続人である親よりも先に子が亡くなっていた場合、その子に子(孫)がいれば孫が相続人となります。これを代襲相続といいます。滅多にありませんが、さらに孫も先に亡くなっていて孫に子(ひ孫)がいる場合、ひ孫が相続人となります(再代襲相続)。

被相続人より「先に」子が亡くなっていた場合です。後に亡くなった場合は、単に相続が2回続いたにすぎません(2次相続)。

 

第2順位の相続人は直系尊属(父母・祖父母・・)です。

子(孫・ひ孫含)がいない場合、被相続人の父母が健在なら父母が相続人となります。養親も相続人となります。実親と養親がいる場合、ともに相続人となります(実親との縁がきれる特別養子縁組は養親だけが相続人)。

既に父母が亡くなっていても、祖父母が健在なら祖父母が相続人となります。親等の近い方から相続人となります。

 

第3順位の相続人は兄弟姉妹です。

被相続人に子(孫・ひ孫含)も直系尊属(父母・祖父母・・)もいなければ、兄弟姉妹が相続人となります。被相続人よりも先に兄弟姉妹が亡くなっており、その者に子(おい・めい)がいる場合、おい・めいが相続人となります(代襲相続)。ただ、おい・めいが亡くなっていてもさらにその子が相続人になることはありません。兄弟姉妹については再代襲相続はありません。

 

 

なお、特殊な事例ですが、第1順位の相続人である子には胎児も含まれます。父が亡くなったときに、母のお腹に胎児がいた場合、この胎児も相続人となります。ただし、生きて産まれてくることが条件です。死産の場合、他に子がいなければ親あるいは兄弟姉妹が相続人となります。

 

 

以上の者が相続人となる者です。民法という法律で定められた法定相続人です。これら以外の者は相続人とはなりません。法定相続人以外の者に財産を遺したい方、あるいは、第1順位の方がいるのに第3順位の方に財産を遺したいなどの方は「遺言」を書いておきましょう。

(※ここに記載したことはあくまで原則です。特殊な事情で相続人とならないことがあります。)

 

まとめ

・配偶者は常に相続人となる。

・子(養子含)がいれば子が相続人となる。子が先に亡くなっており孫がいれば孫が相続人となる。

・子がいなければ直系尊属(父母・祖父母・・親等の近い順)が相続人となる。

・子も直系尊属(父母・祖父母・・)もいなければ兄弟姉妹が相続人となる。先に兄弟姉妹が亡くなっていたら甥・姪が相続人となる。

 

 

相続が発生し手続きをしなければならないのだけど、誰が相続人なのかよくわからない、会ったこともない婚外子(隠し子)がいると聞いていたなど、不安な点がある方は専門家に相談してみてください。

 

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