【2025年最新】相続登記は義務です。放置していませんか?
「親から実家を相続したけど、仕事が忙しくて名義変更はまだ…」
「手続きが面倒そうで、つい後回しにしてしまっている…」
もし、あなたもこのようにお考えでしたら、少しだけ立ち止まってこの記事を読んでみてください。大切なご家族が遺してくれた不動産、その名義変更手続きである「相続登記」は、2024年4月1日から法律上の「義務」になっています。
「知らなかった…」「まだやっていないけど、大丈夫だろうか?」と不安に思われたかもしれませんね。でも、ご安心ください。この記事では、相続登記をしないと具体的にどうなるのか、そして今から何をすべきなのかを、専門家である司法書士が一つひとつ、わかりやすく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、あなたの不安は解消され、次にとるべき行動が明確になっているはずです。
相続登記の義務化とは?期限と罰則の重要ポイント
これまで任意だった相続登記が、なぜ義務になったのでしょうか。それは、所有者がわからないまま放置された土地(所有者不明土地)が全国で増え続け、社会問題となったからです。この問題を解決するため、国は法律を改正し、相続登記を義務付けました。
ここでは、2025年11月現在の最新情報に基づき、あなたが絶対に知っておくべき「いつまでに?」と「違反するとどうなる?」という2つの重要ポイントを解説します。
いつまでに必要?相続開始を知った日から3年が原則
相続登記の期限は、原則として「ご自身のために相続が始まったことを知り、かつ、その不動産を取得したことを知った日から3年以内」と定められています。
多くの場合、「被相続人(亡くなった方)が亡くなり、自分が相続人になったことを知った日」から3年、と考えてよいでしょう。
ここで非常に重要なのが、この義務は法律が施行された2024年4月1日より前に発生した相続にも適用されるという点です。もし、何年も前に亡くなったご家族名義の不動産をそのままにしているのであれば、2027年3月31日までに相続登記を申請する猶予期間が設けられています。
つまり、「昔の相続だから関係ない」ということは決してなく、すべての未了の相続登記が対象となるのです。
怠るとどうなる?10万円以下の過料(罰則)の現実味
期限内に相続登記を行わなかった場合、どうなるのでしょうか。法律では、「10万円以下の過料」という罰則が定められています。
過料とは、行政上のルール違反に対して科される金銭的な制裁で、いわば罰金のようなものです。「正当な理由」なく義務を怠った場合に科される可能性があります。
では、「正当な理由」とは何でしょうか。例えば、以下のようなケースが想定されています。
- 相続人が非常に多く、戸籍謄本の収集に時間がかかっている
- 遺言の有効性をめぐって裁判で争っている
- 相続人に重病の方がいる
しかし、「仕事が忙しかった」「手続きが面倒だった」といった個人的な事情は、原則として「正当な理由」とは認められにくいでしょう。安易な先延ばしが、ある日突然、役所からの通知と10万円以下の支払命令という、予期せぬ金銭的負担につながる現実的なリスクがあるのです。
参考:【法務省/相続登記の義務化】不動産を相続したらかならず …
まだ大丈夫、は危険!相続登記を放置した最悪のシナリオ
「罰則があるのはわかったけど、まだ時間はありそうだし…」そう思われるかもしれません。しかし、相続登記を放置する本当の怖さは、過料という罰則だけではありません。時間が経てば経つほど、問題が雪だるま式に膨れ上がり、取り返しのつかない事態に陥る可能性があるのです。
ここでは、実際に起こりうる3つの最悪のシナリオをご紹介します。
シナリオ1:相続人が数十人に…話し合いすら不可能に
最も恐ろしいのが、相続関係の複雑化です。
例えば、お父様名義の不動産を放置している間に、相続人である長男が亡くなったとします(二次相続)。すると、長男の相続権は、その配偶者と子供たちへと引き継がれます。さらにその子供の一人が亡くなる(三次相続)…と連鎖していくと、どうなるでしょうか。
最初は数人だった相続人が、ネズミ算式に増え続け、会ったこともない親戚が数十人という規模に膨れ上がることがあります。こうなると、遺産分割協議(誰が不動産を相続するかの話し合い)を開くこと自体が、事実上不可能になります。
- 連絡先がわからない相続人が出てくる
- やっと連絡が取れても「関わりたくない」と協力を拒否される
- 面識のない親戚から、法定相続分に見合う金銭(ハンコ代)を要求される
- 相続人の中に認知症の方がいて、話し合いができない
このような状況では、手続きを諦めざるを得ません。そして、この解決困難な問題は、あなたのお子さんやお孫さんの世代へと引き継がれてしまうのです。
シナリオ2:売りたい時に売れない、担保にもできない
相続登記が未了の不動産は、法的には「亡くなった方の名義のまま」です。そのため、あなた名義の財産として扱うことは一切できません。
例えば、将来こんな場面が訪れたとします。
- 「実家を売却して、親の介護施設の費用に充てたい」
- 「事業を始めるため、不動産を担保に銀行から融資を受けたい」
- 「自宅の建て替えのため、土地と新築建物を担保に住宅ローンを組みたい」
いざという時に、相続登記が済んでいなければ、売却も、贈与も、不動産を担保にすることもできません。そこから慌てて相続登記をしようとしても、前述のシナリオ1のように相続人が増えていれば、もはや手遅れかもしれません。
「いつか使うかもしれない」という大切な資産が、いざという時に全く役に立たない「塩漬け」状態になってしまうのです。これは、大きな機会損失と言えるでしょう。
シナリオ3:他の相続人に不動産の一部を勝手に売却される
「兄弟間の話し合いで、実家は自分が相続することに決まっているから大丈夫」と安心している方も、注意が必要です。その口約束だけでは、あなたの権利は法的に守られません。
実は、相続人の一人であれば、他の相続人の同意がなくても、法定相続分通りに相続登記することが可能です。例えば、相続人が長男と次男の2人だけの場合、次男が勝手に「長男の持分2分の1・次男の持分2分の1」と相続登記し、次男の持分2分の1を第三者に売却してしまう、ということが法的にはできてしまいます。
もしそうなれば、あなたは見ず知らずの第三者と不動産を共有する、という悪夢のような事態に陥ります。遺産分割協議で合意した内容や、遺言書があったとしても、登記をしていなければ、後から権利を主張してきた第三者に対抗できない(主張できない)可能性があるのです。
相続登記は、単なる名義変更手続きではありません。あなたの正当な権利を、法的に確定させ、守るための重要な防衛策なのです。
「自分でやろう」が招く新たなリスクとデメリット
「専門家に頼むと費用がかかるから、自分でやってみよう」と考える方もいらっしゃるでしょう。もちろん、ご自身で手続きを行うことは可能です。しかし、その選択が「安物買いの銭失い」となり、かえって大きな負担を招くケースも少なくありません。

膨大な時間と手間:戸籍集めと書類作成の壁
相続登記を自分で行う上で、最初の大きな壁となるのが「戸籍謄本等の収集」です。
亡くなった方の「出生から死亡まで」の連続した戸籍謄本をすべて集める必要があります。これには、本籍地があったすべての市区町村役場に、一つひとつ請求をかけなければなりません。古い戸籍は手書きで読みにくく、解読するだけでも一苦労です。
さらに、法務局への登記申請書の作成や、遺産分割協議書の作成など、専門的な書類も不備なく準備する必要があります。法務局の窓口は平日の日中しか開いていないため、お仕事をされている方にとっては、何度も足を運んだり、電話で問い合わせたりするのは現実的に大きな負担となります。
登記漏れ・申請ミス:やり直しで余計な費用が発生
専門知識がないまま手続きを進めると、思わぬミスを犯すことがあります。
よくあるのが「登記漏れ」です。例えば、自宅の建物と土地の他に、私道やゴミ集積所の持分が登記されていることに気づかず、申請から漏れてしまうケースです。
また、書類の不備で法務局から補正(修正)の指示を受け、何度もやり直しになることも珍しくありません。最悪の場合、一度申請を取り下げて、また一から相続人全員の実印をもらい直す…といった事態にもなりかねません。
こうしたミスは、余計な時間と費用がかかるだけでなく、他の相続人に再び協力をお願いする精神的なストレスも生じさせます。司法書士に依頼すれば、不動産の調査から確実に行うため、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。
どうすればいい?今すぐできる2つの具体的な対策
ここまで読んで、「すぐにでも動かなければ」と感じていただけたかと思います。では、具体的に何をすればよいのでしょうか。状況に応じて、今すぐできる対策は2つあります。
対策1:ひとまず罰則を回避する「相続人申告登記」
「相続人が多くて、すぐに遺産分割の話し合いがまとまりそうにない…」
「とりあえず3年の期限が迫っているから、罰則だけでも避けたい」
このような場合に利用できるのが、2024年4月1日から始まった新しい制度「相続人申告登記」です。
これは、「私がこの不動産の相続人の一人です」と法務局に申し出ることで、相続登記の申請義務を果たしたとみなしてもらえる簡易的な手続きです。この手続きには、以下のようなメリットがあります。
- 相続人の一人から単独で申請できる(他の相続人の協力は不要)
- 添付書類が少なく、登録免許税もかからない
- 3年以内の申請義務を履行したことになる
これにより、当面の過料のリスクを回避することができます。

対策2:根本解決と安心のための「司法書士への依頼」
ただし、注意点があります。「相続人申告登記」は、あくまで一時的な措置です。この登記だけでは、不動産を売却したり、担保に入れたりすることはできません。最終的に不動産を処分・活用するためには、遺産分割協議をまとめて、正式な相続登記を完了させる必要があります。
将来発生しうるあらゆるリスクをなくし、根本的な解決と本当の「安心」を手に入れるためには、やはり初めから登記の専門家である司法書士に相談し、正式な相続登記を目指すのが最善の道です。
複雑な戸籍の収集、専門的な書類作成、法務局とのやり取り、そして将来のリスクの洗い出しまで、すべてを専門家である司法書士に任せることで、あなたは時間的・精神的な負担から解放されます。
まとめ|相続登記の放置は百害あって一利なし。今すぐご相談を
この記事では、相続登記の義務化と、それを放置した場合の深刻なリスクについて解説してきました。
- 2024年4月から相続登記は義務となり、3年以内の申請が必要
- 正当な理由なく怠れば、10万円以下の過料が科される可能性がある
- 放置すると相続人が増え、売却もできず、権利を失うリスクがある
相続登記の放置は、まさに「百害あって一利なし」です。問題が複雑化する前に、できるだけ早く手続きに着手することが、あなた自身と、あなたの大切なご家族を守ることに繋がります。
もし、少しでもご不安な点や、わからないことがあれば、どうか一人で抱え込まないでください。当事務所の無料相談は、あなたの問題解決への大切な第一歩です。まずはお気軽にご連絡ください。私たちが、あなたの「安心」を全力でサポートいたします。

