遺言書作成の全知識|メリット・デメリットから無効ケースまで

「うちは大丈夫」と思っていませんか?遺言書がないと起こる相続トラブル

「うちは財産なんてほとんどないから、遺言書なんて大げさなものは必要ない」「家族の仲は良いから、相続で揉めるなんて考えられない」

司法書士として日々多くの方のご相談をお受けしていると、このように考えていらっしゃる方が本当に多いことに驚かされます。しかし、その「大丈夫」という思い込みこそが、後々ご家族を苦しめる「争続」の入り口になってしまうことを、私たちは現場で何度も目の当たりにしてきました。

遺言書がないということは、財産の分け方をすべて残されたご家族の話し合い(遺産分割協議)に委ねるということです。それは、時に最も愛する家族に、最も過酷な試練を与えてしまうことになりかねないのです。

財産が少なくても揉める「不動産」という火種

「相続財産は、今住んでいる自宅だけです」というご家庭は、実は最も注意が必要なケースの一つです。預貯金のようにきれいに割り算できるものと違い、不動産は物理的に分割することができません。

例えば、相続人がお子様3人だったとしましょう。

  • 長男は「親の家だから自分が住み続けたい」
  • 次男は「自分は家はいらないから、その分現金でほしい」
  • 長女は「誰も住まないなら、売却して3人で平等に分けたい」

誰か一人が住み続けるなら、他の二人に代償金を支払わなければなりませんが、そのお金を用意できるでしょうか。売却するにも、相続人全員の同意と実印がなければ一歩も進みません。一人でも反対すれば、実家は誰も使えない「塩漬け」状態になってしまいます。

財産がご自宅だけだからこそ、分け方が難しく、深刻な対立の火種となってしまうのです。

仲が良かったはずの家族が豹変する現実

「うちの子どもたちは、昔から本当に仲が良いから心配ない」
そう信じたいお気持ちは、痛いほどよくわかります。しかし、相続は、これまで家族という輪の中にいなかった人々を巻き込みます。

それは、相続人の「配偶者」です。

「お義父さんの介護はうちの妻が一番頑張ったんだから、少し多めにもらうのが当然でしょう?」
「あなたのお兄さんばかり得をするなんて、私が許さないわ」

ご本人たちは円満に話を進めたくても、それぞれの配偶者やその親族からの「入れ知恵」によって、話し合いがどんどん複雑化していく。そんなケースは枚挙にいとまがありません。お金が絡むと、人は悲しいかな、変わってしまうことがあるのです。仲が良かったはずの兄弟姉妹が、数十年も口を利かない関係になってしまう。そんな悲劇を生まないために、遺言書は存在するのです。

遺言書作成のメリットと、あえて挙げるデメリット

相続トラブルの現実を知ると、不安に思われるかもしれません。しかし、ご安心ください。その不安を「安心」に変えるための、最も確実で、そしてシンプルな方法が「遺言書」の作成です。

ここでは、遺言書を作成することで得られる大きなメリットと、知っておくべきデメリットを公平にご説明します。

メリット1:争いを未然に防ぎ、家族を守る最大の効果

遺言書の最大のメリットは、なんといっても「相続トラブルを未然に防げる」ことです。

遺言書があれば、原則として、相続人全員で話し合う「遺産分割協議」が不要になります。誰にどの財産を遺すのか、あなたの意思が明確に示されているため、相続人たちが頭を悩ませたり、意見を対立させたりする必要がなくなるのです。

これは単なる手続きの省略ではありません。遺言書は、あなたが亡き後も家族の絆を守り、無用な争いから大切な家族を守るための、最後の愛情表現とも言えるのです。

メリット2:面倒な手続きを大幅に簡略化できる

遺言書がない場合、残されたご家族は大変な手続きに追われることになります。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本一式の収集
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本や印鑑証明書の取り寄せ
  • 財産調査と財産目録の作成
  • 相続人全員での遺産分割協議と、その内容を記した「遺産分割協議書」の作成(全員の実印と印鑑証明書が必要)

これらの手続きは非常に煩雑で、時間も手間もかかります。特に、相続人の中に遠方にお住まいの方や、連絡が取りづらい方がいると、手続きは一気に困難になります。

遺言書があれば、これらの手続きの多くを省略でき、残されたご家族の負担を劇的に軽減することができます。

メリット3:相続人以外にも財産を遺せる「最後の想い」

法律で定められた相続人(法定相続人)以外の人に財産を遺したい場合、その想いを実現できるのは遺言書だけです。

  • 長年連れ添った内縁の妻(夫)
  • 自分の介護を一身に引き受けてくれた長男のお嫁さん
  • お世話になった友人や、支援したいNPO法人

こうした方々へ感謝の気持ちを財産という形で遺したいと願っても、遺言書がなければその想いは叶えられません。遺言書は、あなたの「最後の想い」を法的に実現させる唯一の手段なのです。

知っておくべきデメリット:費用と手間、そして遺留分の問題

もちろん、良いことばかりではありません。デメリットも正直にお伝えします。

まず、ご自身で作成する「自筆証書遺言」は手軽ですが、後述するように無効になるリスクが常に伴います。一方で、法的に確実な「公正証書遺言」を作成する場合、公証役場に支払う手数料や、専門家に依頼した場合の報酬といった費用がかかります。

また、遺言書を作成するには、ご自身の財産をすべてリストアップし、誰に何を遺すかじっくり考える手間も必要です。

そして最も注意すべきなのが、「遺留分(いりゅうぶん)」の問題です。遺言書の内容が特定の相続人に偏っていると、たとえ遺言書が有効であっても、新たなトラブルの原因になる可能性があります。これについては、次の章で詳しく解説します。

【要注意】せっかく作っても無効になる遺言書の典型例

「それなら、自分で遺言書を書いてみよう」そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、少しお待ちください。特にご自身で作成する「自筆証書遺言」は、法律で厳格なルールが定められており、一つでも間違うと、せっかくの想いがすべて水の泡になってしまう危険性があるのです。

ここでは、遺言書が無効になってしまう典型的なケースをご紹介します。

書類の上で万年筆を持つ手が止まっている様子。自筆証書遺言の作成の難しさや無効になるリスクを暗示している。

形式ミスで無効に:「日付がない」「押印がない」

自筆証書遺言で最も多い無効理由が、ささいな形式ミスです。

  • 日付の不備:「令和○年吉日」のような日付が特定できない書き方は無効です。「令和5年11月21日」のように、誰が見ても一日を特定できるように書く必要があります。
  • 署名・押印の漏れ:全文を自筆で書き、日付を書いても、最後に署名と押印がなければ遺言書として認められません。押印は認印でも構いませんが、実印の方が望ましいでしょう。
  • パソコン作成や代筆:財産目録を除き、本文はすべて自筆で書く必要があります。少しでも他人の文字やパソコンの文字が混じっていると、その遺言書は全体が無効となってしまいます。

こんな簡単なミスで?と思われるかもしれませんが、法律は厳格です。たった一つのミスが、あなたの最後の想いを無に帰してしまうのです。

内容の不備で無効に:「財産が特定できない」「遺言能力の疑い」

形式は完璧でも、内容が曖昧なために効力が認められないケースもあります。

  • 財産の特定ができない:「名古屋市中川区の土地を長男に相続させる」と書いただけでは、同区内に複数の土地を所有している場合、どの土地のことか特定できず、無効となる可能性があります。登記簿謄本(登記事項証明書)の記載通りに、地番まで正確に記載する必要があります。
  • 遺言能力の疑い:認知症が進行している状態で作成された遺言書は、後から他の相続人に「書いた当時は正常な判断能力がなかった(遺言能力がなかった)」として、無効を主張されるリスクがあります。

法的に有効で、かつ誰にも文句を言わせない内容の遺言書を作成するには、専門的な知識が不可欠です。

遺言書があっても争いになる「遺留分」の壁

たとえ遺言書が法的に有効であっても、トラブルを完全に防げない場合があります。その最大の原因が「遺留分(いりゅうぶん)」です。

遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人に法律上最低限保障されている遺産の取り分のことです。例えば、「全財産を長男に相続させる」という遺言書を作成した場合、他の相続人(次男や長女など)は、自身の遺留分が侵害されたとして、長男に対して「遺留分侵害額請求」という金銭の支払いを求める権利があります。

つまり、遺留分を無視した遺言書は、新たな金銭トラブルの火種を作ってしまうのです。遺言書を作成する際は、この遺留分に十分に配慮した内容にすることが、本当の意味で円満な相続を実現する鍵となります。より詳しい内容は相続人には絶対に保障される取り分(遺留分)があるの?その遺留分に反する遺言は無効なの?でも解説していますので、ご参照ください。

親に遺言書を書いてもらうための角が立たない伝え方

この記事をお読みの方の中には、「自分のことだけでなく、親にも遺言書を書いてほしい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。しかし、お金や「死」を連想させる話題は、親子であっても非常に切り出しにくいものです。伝え方を間違えると、関係がこじれてしまうことも少なくありません。

ここでは、親御さんの気持ちに寄り添いながら、上手に遺言書の必要性を伝えるためのヒントをお伝えします。

リビングのソファで、お茶を飲みながら穏やかに話をする日本の父と息子。親に遺言書作成を促す際の、角が立たない伝え方をイメージさせる。

NGな切り出し方:「相続の話なんだけど…」は禁句

最もやってはいけないのが、単刀直入に「相続の話をしよう」「遺言書を書いてよ」と切り出すことです。言われた親御さんは、どう感じるでしょうか。

「そんなに私の財産が欲しいのか」
「早く死んでほしいと思っているのか」

たとえあなたにそんなつもりがなくても、このように誤解されてしまう可能性が非常に高いのです。親のプライドを傷つけ、心を閉ざさせてしまう直接的な表現は絶対に避けましょう。

きっかけ作りのコツ:「親戚の相続トラブル」を話題にする

角が立たない伝え方のコツは、「第三者の話」をきっかけにすることです。

「そういえば、テレビで相続トラブルの特集をやっていたんだけど…」
「〇〇おじさんのところ、遺言書がなくて子どもたちが大変だったらしいよ」

このように、親戚や知人、あるいはテレビのニュースなどを話題に出し、「遺言書がないと、残された家族が困るんだね」という流れで話を振ってみるのです。自分たちの話ではないため、親御さんも客観的で冷静な気持ちで話を聞きやすくなります。「うちは大丈夫かな?」と、ご自身の問題として考えるきっかけになるかもしれません。

最終手段:専門家という「第三者」の力を借りる

親子だからこそ、どうしても感情的になってしまい、うまく話が進まないこともあります。そんな時は、専門家という「第三者」の力を借りるのが非常に有効です。

「相続のことで心配なことがあるから、一度、専門家の話を一緒に聞いてみない?」
「無料相談で話を聞くだけでも、今後の参考になると思うよ」

このように提案すれば、親御さんも「専門家が言うなら…」と、客観的なアドバイスとして受け入れやすくなります。私たちのような司法書士が間に入ることで、冷静に、そして円満に話を進めるお手伝いができます。当事務所の無料相談は、まさにこのような場合にご活用いただきたいと思っています。

後悔しないために。司法書士に依頼する3つの大きな安心

ここまでお読みいただき、遺言書の重要性と、ご自身で作成することの難しさをご理解いただけたかと思います。では、どうすれば後悔のない、完璧な遺言書を作成できるのでしょうか。その答えが、私たち司法書士のような専門家にご依頼いただくことです。

専門家に依頼することで得られる「3つの大きな安心」についてご説明します。

安心1:法的要件を満たした公正証書遺言の作成により、形式不備による無効リスクを大幅に低減できます。

司法書士にご依頼いただく最大のメリットは、法的な要件を完璧に満たした、無効になる心配のない遺言書を作成できることです。

私たちは、自筆証書遺言のサポートはもちろん、公証役場と連携して作成する、最も確実で安全な「公正証書遺言」の作成を強くお勧めしています。面倒な形式不備のリスクをなくし、遺留分にもしっかりと配慮した内容にすることで、将来の紛争リスクを限りなくゼロに近づける。専門家によるチェック・手続代行で、形式上の不備や見落としを減らすことが期待できます。

安心2:面倒な戸籍収集や公証役場との調整も全て任せられる

公正証書遺言を作成するには、多くの準備が必要です。

  • 遺言者と相続人の関係を証明するための戸籍謄本の収集
  • 不動産や預貯金など、財産を証明する資料の準備
  • 証人2人の手配
  • 公証人との事前の文面打ち合わせや日程調整

これらの煩雑な手続きを、すべて私たち司法書士が代行します。あなたはただ、ご自身の想いを私たちにお聞かせいただくだけ。貴重な時間と労力を、面倒な手続きに費やす必要は一切ありません。私たちは司法書士業務を「先生業」ではなく「サービス業」と捉え、お客様の手間を徹底的に省きます。

安心3:家族の想いを汲み取り、円満な相続を設計できる

私たちの仕事は、ただ法律的に正しい書類を作るだけではありません。あなたの「想い」を深く理解し、それを最も良い形で実現する方法を一緒に考える「パートナー」です。

ご家族への感謝の気持ちや、なぜこのような財産の分け方にしたのか、その理由を遺言書の最後に書き記す「付言事項(ふげんじこう)」というものがあります。法的な効力はありませんが、この一言があるだけで、残されたご家族の納得感は大きく変わります。

私たちは、法律面だけでなく、こうした感情面にも寄り添い、ご家族全員が納得できる円満な相続の実現を設計します。

名古屋高畑駅前司法書士事務所が選ばれる理由

遺言書作成の必要性は感じたけれど、どこに相談すればいいのか分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。当事務所は、名古屋市に根差し、相続に関するお悩みを抱える皆様の「最初の相談相手」でありたいと願っています。事務所の代表は、愛知県司法書士会所属の司法書士 古島信一です。所在地は「〒454-0911 愛知県名古屋市中川区高畑1丁目207番地 アーバンオクムラ301」となります。

初めての方でも安心してご相談いただける、当事務所ならではの理由があります。

もし、少しでも遺言書についてご興味やご不安があれば、まずはお話だけでも聞かせてください。まずは無料相談からはじめてみませんか?

資格者である代表司法書士が必ず直接お話を伺います

当事務所は、代表である私、司法書士の古島がすべてのご相談に最初から最後まで直接対応いたします。大手事務所のように、資格のない事務員が面談をすることはありません。豊富な実務経験を持つ資格者が、あなたの状況やお気持ちを丁寧にお伺いし、責任を持って最適なご提案をいたします。

ご相談は、時間や回数に制限なく、完全に無料です

「相談したら、依頼を断れないんじゃないか…」
「相談料はいくらかかるんだろう…」
そんなご心配は一切不要です。当事務所の司法書士業務に関するご相談は、時間や回数に制限なく、完全に無料です。あなたが心から納得し、安心できるまで、何度でもお話をお聞かせください。無理に契約を勧めるようなことは決してありませんので、どうぞお気軽にお越しください。

土日祝・夜間も対応。あなたの「想い」を形にするお手伝いをします

平日のお昼間はお仕事で忙しいという方のために、土日祝日や夜間のご相談にも柔軟に対応しております。ご自宅への出張相談も可能です。

私たちは、単に書類を作るだけの「代書屋」ではありません。あなたの人生の集大成である「想い」を、法的に確実な「形」にし、大切なご家族へ円満に引き継ぐお手伝いをすること。それが私たちの使命です。まずはお気軽にお電話かメールで、あなたのお話をお聞かせください。

 

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