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不動産の相続登記(相続による名義変更)が義務化されました
2024年(令和6年)4月より不動産の相続登記(相続による名義変更)が義務となりました。
今までは不動産の相続登記(相続による名義変更)が放置されることがしばしばあり、登記記録からは所有者がわからない所有者不明土地が増加し社会問題となりました。所有者不明土地は全国に410万ヘクタールあるといわれており九州の面積以上に膨れ上がっているのです。これを解決するため不動産の相続登記(相続による名義変更)が義務となったのです。
自身が相続したことを知った日より3年以内に不動産の相続による名義変更をしなければなりません。もし不動産の登記名義人が2024年(令和6年)4月より前に亡くなっている場合は、2024年(令和6年)4月より3年以内です。
もし正当な理由がないのに不動産の相続登記(相続による名義変更)を怠ると罰則があります。10万円以下の過料が科せられます。
そのためか最近は不動産の相続による名義変更のお問い合せ・依頼が多いです。しかし、中には何十年も相続による名義変更を放置し、相続が繰り返され相続人が数十人となっていたり、行方不明の方がおられたりなど残念ながら事実上名義変更ができない案件にも出くわしています。
このようなことにならないよう相続が開始したらすぐに不動産の相続登記(不動産の相続による名義変更)をすべきなのです。
では、もし長年不動産の相続による名義変更を放置していたなどの事情により名義変更に時間がかかり3年以内にできない場合はどうすればいいのでしょうか?
長年放置された不動産は相続人が膨れ上がり、相続人調査に時間を要し、相続人全員で遺産分割協議をおこなわなければならず名義変更をするのも膨大な時間を費やすことが多いはずです。あるいは相続人に連絡がつかず止まってしまうこともあり3年以内に名義変更をおこなうことが困難なこともありえます。
そこで「相続人申告登記」という制度も同時に新設されました。
「相続人申告登記」とは、法務局に所有権登記名義人が亡くなったこと及び自身が相続人であることを申告する簡易手続きで、相続申請義務を履行したものとみなされる制度です。 過料の対象からも外されます。自己だけが登記名義人の相続人の1人であることを証明できればよいのでそれほど時間は要しないはずです。
登記簿には、登記名義人の死亡と申出のあった相続人の住所・氏名が記載されますが所有権移転を示すものではありません。そこで遺産分割協議成立の日から3年以内に相続登記しなければなりません。
どうしても不動産の相続による名義変更が3年以内にできそうにない場合、この「相続人申告登記」をすることになります。ただ「相続人申告登記」は取り急ぎ義務の履行をしたことにし過料を科せられなくなるにすぎません。当該不動産を売却などする場合には相続による名義変更をしなければなりません。
以上のように、不動産の相続による名義変更を放置しておくと大変なことになります。自分は亡くなれば困りませんが、この問題は自分の子や孫へ代々引き継がれていきます。
ですから不動産の相続登記(不動産の相続による名義変更)は放置せずなるべくはやくするようにしましょう。
不安な方は専門家に相談してみてください。
相続した土地を国が引き取る制度が開始されました(相続土地国庫帰属制度)
1 令和5年4月27日より相続した土地を国が引き取る制度(相続土地国庫帰属制度)が開始されました。
今までいらない土地の所有権を放棄する方法はありませんでした。もちろん誰かに売却できればいいのですが、利用価値のない土地は売れません。自治体も利用価値のない土地の寄付は受け付けてくれません。そのような土地は放置されてきました。これらは所在不明土地として社会問題にもなっています。このような所在不明土地は相続を契機に発生することが多いのです。そこで国は、相続登記の義務化とともに、相続により取得した土地について引き取る制度を作ったのです。これらにより所有者不明化・管理不全化を予防しようというのです。
あくまで相続で取得した土地についてです。相続以外の売買や贈与などで取得した土地については適用がありません。ただ、現在の所有者が亡くなったあとにその相続人が相続土地国庫帰属制度を使うことは可能です。現在ご自身名義の土地だが相続で取得したわけではない場合、次の世代まで待ってください。
そして、無償で引き取ってくれるわけではありません。費用がかかります。
それでは、相続土地国庫帰属制度の要件を詳しくみていきましょう。
2 まず、誰が?についてです。詳しくは以下の通りです。
・相続又は遺贈(相続人に限る)により一定の土地を取得した者
・相続又は遺贈(相続人に限る)により一定の土地を取得した者が共有者にいる他の共有者(相続又は遺贈により取得した者と共同して行うときに限る)
わかりにくい表現ですが簡単にいうと、
・土地を相続で取得した者
・共有土地なら共有者の1人が相続で取得しており、かつ、その共有者全員が共同しておこなうとき
あくまで相続した土地です。
令和5年4月27日よりスタートした制度ですが、それ以前に相続により土地を取得していた人にも適用があります。
3 次に対象となる土地の要件です。
以下のいずれにも該当しない土地です。
① 建物がある土地
② 担保権(抵当権など)や使用収益権(賃借権など)が設定されている土地
③ 通路その他の他人による使用が予定される土地
④ 特定有害物質により土壌汚染されている土地
⑤ 境界が明らかでない土地・所有権の存否や帰属、範囲について争いがある土地
⑥ 崖(勾配30度以上かつ高さ5m以上)があり、かつ管理に過分な費用・労力がかかる土地
⑦ 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する 土地
⑧ 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
⑨ 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地 (→他の土地に囲まれて公道に通じない土地はダメです)
⑩ 上記のほか、通常の管理・処分にあたって過分な費用・労力がかかる土地
⑪ 土地に生息する動物により、土地や土地周辺の人、農作物、樹木に被害を生じさせる土地
⑫ 適切な造林・間伐・保育が実施されておらず、国による整備が必要な森林
⑬ 国庫に帰属した後、国が管理に要する費用以外の金銭債務を法令の規定に基づき負担する 土地
⑭ 国庫に帰属したことに伴い、法令の規定に基づき承認申請者の金銭債務を国が承継する土 地
以上のように、土地の上の空家を解体する費用を支出したくないから引き取ってというのは認められません。管理費を請求されていたり場所が特定できない原野もダメです。他の土地に囲まれて公道に通じない土地もダメです。要するに普通に利用できないような土地はダメということです。かなり厳しい要件とおもいます。むしろ上記に該当するような土地だからこそ手放したいはずです。
4 費用についてです。国もタダで引き取ってくれるわけではありません。負担金がかかります。この制度は国が土地を買い取ってくれるのではなく、私たちがお金を払って管理してもらう制度なのです。この負担金の額は、土地の種目ごとにその管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して算定されます。最低20万円からです。
申請する際にも審査手数料がかかります。土地1筆につき14,000円です。
上記以外にも以下の費用が想定されます。
・隣地との境界確定費用(30万円以上)
・建物等の取壊し費用(100~200万円位)
・土壌汚染等の調査費用
などです。
場合によってはかなり高額になるかもしれません。
やはり売却できる土地なら売却したいですね。
5 最後に申請先ですが、土地が所在する都道府県の法務局の本局です。申請の前に事前相談も可能です。予約制です。土地が遠方にある場合、事前相談なら近くの法務局の本局でも可能です。
6 相続土地国庫帰属制度の内容をみてきました。要件が厳しいのと結構な費用がかかることから実際にはなかなか使いづらい制度のようにおもいます。ただ、農地や山林というだけで除外されているわけではないので要件に当てはまる人もいるとおもいます。ぜひ検討してみてください。
よくわからない方は専門家に相談してみてください。
2024年(令和6年)4月1日より相続登記(相続による不動産の名義変更)が義務化されます
2024年(令和6年)4月1日より相続登記(相続による不動産の名義変更)が義務化されます。
今まで義務ではなかったのか?とおもわれる方もいらっしゃるとおもいます。しかし、2022年6月現在、不動産の権利についての登記は義務ではありません。ただ、不動産を購入するときや新築建物を建てた場合に、所有権の登記をしないなんてことはまずありません。不動産会社が売買の仲介をするときや銀行にて住宅ローンを組む場合に登記することが条件となっているからです。売買や新築建物の所有権の登記は事実上義務と言っても過言ではありません。ですから不動産登記(名義変更)は義務とおもっている方も結構いらっしゃるとおもいます。
それとは異なり相続の場合、不動産業者や銀行が絡むことは通常ないので相続登記をせず放置されていることも多いのです。理由は、面倒だから放置、相続人間で揉めて手つかずなどですが、そもそも相続登記をするなんてこと自体を知らない方もいらっしゃいます。
これにより登記記録からは所有者がわからない所有者不明土地が増加し社会問題にまでなっています。皆さんも一度はテレビなどでみたことがあるのではないでしょうか?所有者不明土地は全国に410万ヘクタールあるといわれており九州の面積以上に膨れ上がっているそうです。この経済的損失は年間1,800億円といわれています。
なぜ所有者不明土地は困るのでしょうか?
・開発計画が立ち上がってもそこに所有者不明土地があると所有者の探索に時間と費用がかかる。
・公共事業や復旧、復興事業がすすまない。
ということがあげられます。
所有者不明建物は、空家が倒壊しそうになっていても所有者の探索に時間がかかりその間に倒壊し人にケガを負わせるかもしれないということなどが問題です。いわゆる空き家問題です。
登記名義人に相続が開始し、更にその相続人が死亡、相続が何次も重なり相続人の数が膨大に膨れ上がると、戸籍取得など相続人調査に膨大な時間と費用がかかってしまいます。
連絡がつかない相続人がいるとそこで手続きは止まってしまいます。
高齢化の進展による死亡者数の増加により今後ますます深刻化するおそれがあります。
そこで、相続登記を義務化することになったのです。
正確には、以下の登記です。
・「相続」を原因とする所有権移転登記
・「遺言」を原因とする所有権移転登記(遺言でも取得する者が法定相続人でなければ義務ではない)
期限は、自己のために相続の開始を知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。
義務を怠ると罰則(ペナルティ)があります。
もし正当な理由がないのにこの義務に反すると10万円以下の過料の制裁対象となります。
なお刑罰でないので前科にはなりません。
施行されるのは2024年(令和6年)4月1日からです。
施行日より前に開始した相続についても適用されます。施行日前に開始した相続については、施行日あるいは自己のために相続の開始を知り、かつ、不動産の所有権を取得したこ
とを知った日のいずれか遅い日より3年以内に相続登しなければなりません。
ということで相続登記は放置せずなるべくはやくするようにしましょう。
不安な方は専門家に相談してみてください。
公正証書遺言に印鑑が押してない!
ときどきある質問です。
「公正証書遺言に印鑑が押してないけど有効なのですか?」
結論から先にいいますと、大丈夫です。
公正証書遺言に遺言者の朱肉での押印はなくても有効です。
「遺言に印鑑がないと無効」ということを知っている方は多いとおもいます。
確かにそのとおりです。
その知識があり、公正証書遺言をみると遺言者の「印鑑がない」とびっくりするのが普通の感覚ではないでしょうか。公正証書遺言には㊞と印刷されていますが、実際に赤の朱肉で押印されていません。ですが安心してください。皆さんがお持ちする公正証書遺言には印鑑の朱肉での押印はなくていいのです。印鑑は公証役場に保管されている原本に押してあるのです。私たちが持っているのは公正証書遺言の正本と謄本です。公正証書遺言の正本と謄本には遺言者の押印はありません。公正証書遺言の正本と謄本の㊞の印字は原本に印鑑が押してあるということなのです。
実際に遺言者が亡くなって相続手続きする際にはこの遺言者の押印のない公正証書遺言の正本か謄本を使用します。これで問題なく相続手続きできます。
なお、びっくりしてこの公正書遺言の㊞の印字箇所に印鑑を押してはいけません。押したくなる気持ちはよくわかります。しかし、ここに印鑑を押すと偽造とみなされ遺言書自体が無効となるおそれがあるのです。ですから公正証書遺言の正本と謄本の㊞の印字箇所に印鑑を押すことは絶対にしないでください。
公正証書遺言を作成した遺言者もこのことを知らないことがままあります。公正証書遺言を作成する際に公証役場がこのことを説明してくれないこともあるからです。不親切ですね。でも本当に説明してくれないこと結構あります。
実は、司法書士や弁護士などの法律家もなりたての頃は結構びっくりします。知り合いの新人弁護士から「公正証書遺言に印鑑がないけど大丈夫なの?」と電話がかかってきたこともありました。私も司法書士になりたてのころは知識として知っていましたが何か不安でした。
安心してください。公正証書遺言に遺言者の印鑑の朱肉での押印はなくていいのです。
ちなみに遺言者の氏名も直筆でなく印字ですがこちらも大丈夫です。公証役場に保管してある原本にだけ直筆の署名があるのです。
遺言のことについて不安がある方は専門家に相談してみてください。
自筆証書遺言書保管制度と公正証書遺言はどちらの方がいいの?
令和2年7月10日より自筆証書遺言書保管制度がはじまりました。詳細は前回のコラム「 自筆証書遺言書保管制度が開始されました 」をご覧ください。
簡単にいいますと、自分で書いた自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)が預かってくれるというものです。今まで、自分で作成する自筆証書遺言は自分で保管しておくしかありませんでした。すると、紛失したり、自分の死後に相続人にみつけてもらえなかったり、財産をもらえない相続人が隠してしまったりするおそれがありました。それを防ぐために公証役場で作成・保管してもらえる公正証書遺言を選択することが多かったのです。
しかし、これからは自筆証書遺言も法務局(遺言書保管所)というお役所で保管してもらえることになりました。公正証書遺言ほど費用をかけたくないが、自分で遺言を作成して保管しておくのは大変だと遺言作成に躊躇していた方が、この制度により遺言を作成しやすくなったといえそうです。
自筆証書遺言を作成し自身で保管しておくよりは自筆証書遺言書保管制度の方が有益だというのは明らかです。自身で保管しておかなくて済むので紛失・偽造・隠匿のおそれがないということはもちろんです。さらに、自筆証書遺言書保管制度では通常自筆証書遺言に必要な遺言書の検認手続きが必要ありません。検認とは、遺言の内容を明確にして偽造・変造を防止するための手続きです。遺言者の死後、家庭裁判所に原則相続人全員が集合しなければならず手間と時間・費用がかかります。自筆証書遺言書保管制度では保管申請の際にすでに法務局(遺言書保管所)で遺言書の外形がチェックされており、法務局(遺言書保管所)で遺言書原本が保管されていることから偽造・隠匿のおそれがないため裁判所での検認手続きはおこなわれないのです。
では、公正証書遺言と比較すると本当のところどうなのかという疑問がわいてくるとおもいます。
今回は自筆証書遺言書保管制度と公正証書遺言とを比べたときのメリット・デメリットをあげ、どちらの方がいいのかについて述べさせていただきたいとおもいます。
自筆証書遺言書保管制度の公正証書遺言との比較でのメリットからです。
まずは、自筆証書遺言書保管制度は費用が抑えられることです。
遺言書保管申請の手数料は1通3,900円です。公正証書遺言なら遺言に記載する遺産額にもよりますが数万円はかかります(勿論どちらも専門家に作成サポートを依頼すれば別途報酬が発生します)。
次に、自筆証書遺言書保管制度では、遺言者が希望した場合、遺言者が死亡すると相続人・受遺者・遺言執行者のうち1人に遺言が保管されている旨が通知されることです。
公正証書遺言の場合、遺言者が死亡しても相続人等に対して公証役場から遺言がある旨の通知はされません。すると遺言者の死亡後に相続人らが遺言の存在に気付かず遺言はないものとして相続手続きされてしまうことがあります。
しかし、自筆証書遺言書保管制度では、遺言者が希望しておけば、相続人等に遺言者死亡の事実と遺言が保管させていることが通知されます。これは特筆すべき点です。遺言者は相続人に遺言の存在を知らせておかなくても自身の死後に遺言の存在に気付いてもらえます。この点は安心ですね。
ただし、気をつけなければならないのは、通知対象者の住所が変更された場合、遺言者が変更届をしないと通知が届かないことになります。遺言者がそこまで把握できるのか問題となりそうです。
なお、この「死亡時の通知」の運用は令和3年度以降頃からの予定とされています。
では次に、自筆証書遺言書保管制度のデメリットです。
まず、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に預ける際には、遺言者自らが法務局(遺言書保管所)に出向かなければなりません。遺言者が高齢で病院や施設に入っており自ら法務局(遺言書保管所)に出向けない人も多いでしょう。しかし、代理や郵送による手続きは認められていません。また、法務局(遺言書保管所)の職員が、病院や施設に遺言書を取りに来てくれることもありません。
この点、公正証書遺言であれば、公証役場の公証人が、遺言者が入院している病院や施設まで来てくれます。
なお、公正証書遺言では遺言者が署名できなくても公証人が代筆してくれます。
次に、ここが一番重要な点といっていいでしょう。
自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に預けるとき、遺言の内容まではみてくれません。法務局(遺言書保管所)は法的に有効か無効かまでは判断してくれないのです。なぜなら自筆証書遺言書保管制度とは単に遺言書を預かってくれる制度にすぎないからです。
したがって、不備のある遺言が量産されてしまうことが予想されます。
なお、法務局では遺言の作成に関する相談には一切応じてもらえません。
しかし、公正証書遺言であれば内容までみてくれるので無効な遺言になってしまう可能性は低いでしょう。
遺言書保管申請のときに本人確認はおこなわれますが、認知症の程度など遺言能力についての確認はおこなわれません。認知症が進行し、遺言能力がない状態で作成された遺言は無効です。相続開始後に、ある相続人から高度の認知症の状況下で書かれた遺言なので無効だと争われるかもしれません。
この点、公正証書遺言であれば作成時に遺言能力についても確認されるので無効な遺言になってしまう可能性は低いでしょう。
場合によって厄介なのは遺言者が亡くなった後、必ず相続人全員の戸籍・住民票が必要になることです。これは遺言者が亡くなった後、相続手続きをするには必ず相続人が申請により法務局(遺言書保管所)から「遺言情報証明書」を取得しなければならないのですが、その際に相続人全員の戸籍・住民票が必要になるのです。この時、もし相続人の中に海外在中の者や行方不明者がいたら厄介なことになります。
このような場合、もし公正証書遺言であれば亡くなられた方と遺産を受取る方の戸籍・住民票だけで足りるのでスムーズにいきます。
もう一つ場合によって厄介なのは、自筆証書遺言書保管制度を利用すると、相続手続きの際に必ず相続人全員に遺言があることが通知されるということです。遺言者が亡くなると必ず自動的に相続人全員に通知がされるわけではありません。遺言者が亡くなると相続手続きのために相続人から法務局に「遺言情報証明書」の発行の申請をすることになります。この「遺言情報証明書」の発行の申請がされると、相続人全員に遺言がある旨が通知されるのです。これは、他の相続人にも遺留分請求の機会を与えるための保護だとおもいます。しかし、遺言者としては秘密裏に遺産を分け与えたいとおもうこともあるでしょう。
このような場合、公正証書遺言であれば遺言の存在を他の相続人に通知されることはありません。したがって、遺言内容による相続手続きがスムーズにいく可能性が高くなります。
では上記を踏まえて、自筆証書遺言書保管制度と公正証書遺言はどちらの方がいいのでしょうか?
場合にもよりますが、個人的には作成時に遺言内容まで確認してくれて遺言内容・遺言能力が担保される公正証書遺言の方がいいとおもいます。
たしかに公正証書遺言の方が費用はかかります。
しかし、遺言が無効になってしまったら元も子もありません。遺言が無効とわかるのは遺言者の死後つまり相続開始後です。遺言者が亡くなってしまえば遺言の訂正はできません。もはや取り返しがつかないのです。困るのは残された相続人です。
公正証書遺言の場合、遺言者死亡後の遺言の存在に関する「死亡時の通知」がありませんが、それは遺言者が相続人らに遺言の存在を伝えておいたりしておけば特に不利益にはならないとおもいます。
やはり法律家としては安心感抜群の公正証書遺言をお勧めしたいところです。
以上の点を踏まえて、遺言書を作成するときは自筆証書遺言書保管制度なのか公正証書遺言なのかよく検討して下さい。
遺言書作成について不安な方は専門家に相談してみてください。
自筆証書遺言書保管制度が開始されました
令和2年7月10日より自筆証書遺言書保管制度が開始されました。
今まで、自筆で書いた自筆証書遺言は自身で保管しておくしかありませんでした。すると遺言者の死後に、不利益な相続人が遺言書を破棄したり、隠したり、偽造することがあります。また、遺言書を紛失したり、相続人に遺言書をみつけてもらえないこともあります。これらのリスクが遺言書を書くことの妨げになっていると考えられていました。そこで、遺言のさらなる普及のために自筆証書遺言書保管制度ができたのです。
自筆証書遺言書保管制度は、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)が保管してくれるという制度です。これにより、遺言書の紛失や偽造などによる紛争のおそれを防止できます。
おおまかな手続きの流れは、
① 自筆証書遺言を作成する
↓
② 自筆証書遺言を本人自身が法務局に持込む(代理・郵送は不可)
↓
③ 法務局が自筆証書遺言を保管する
↓
④ 遺言者が亡くなると相続人・受遺者・遺言執行者のうち1人に、遺言者の死亡及び遺言が保管されている旨の通知がされる(遺言者が希望する場合のみ。ただし運用は令和3年度以降頃からの予定)
↓
⑤ 遺言者が亡くなったら相続人・受遺者等が「遺言書情報証明書」を法務局(遺言書保管所)より取得する
↓
⑥ 相続人・受遺者等が「遺言書情報証明書」を使い相続手続き(不動産の名義変更・預貯金解約など)をする
保管できる法務局は、「遺言者の住所地」「遺言者の本籍地」「遺言者の所有する不動産の所在地」のいずれかを管轄する遺言書保管所です。
以下、手続きの流れの詳細です。
遺言書保管の申請には必ず事前の予約が必要です。
遺言書保管申請は、遺言者自らが法務局(遺言書保管所)に出向かなければなりません。郵送や代理人による申請は認められていません。
公正証書遺言の場合、公証人が病院や施設等に出張してくれますが、自筆証書遺言書保管制度は法務局の職員は出張してくれません。この点は注意してください。
遺言書保管申請に必要なものは、申請書・遺言書(作成様式が定められています、ホチキス止めと封筒は不要)・本籍の記載のある住民票の写し(作成後3か月以内)・本人確認書類・手数料(1通3,900円)です。
法務局(遺言書保管所)での申請時に遺言者の本人確認がおこなわれます。
ここが重要なところですが、遺言書保管申請の際、遺言の内容までは審査してくれません。内容的に無効な遺言でも法務局(遺言書保管所)は指摘してくれません。それは単に遺言を預かる制度だからです。法務局(遺言書保管所)という公共の機関が保管してくれても遺言が有効であることのお墨付きをもらえるわけではないのです。
ここも遺言内容を確認してくれる公正証書遺言とは異なる点です。
ちなみに、法務局では遺言の作成に関する相談には一切応じてもらえません。このことは法務省のサイトにも掲載されています。
なお、遺言書保管申請の際、遺言書は返却してくれないのでコピー等をとっておきましょう。
遺言者はいつでも保管された遺言を閲覧することができます。
しかし、相続人や受遺者は遺言者が生存している間は閲覧することができません。遺言者は遺言内容を他者に秘密にしておきたいこともあるので当然ですね。
一度預けた遺言を撤回して返してもらうことは可能です。
以下は、遺言者が亡くなった後の詳細です。
遺言者が希望した場合、遺言者が亡くなると、相続人・受遺者・遺言執行者のうち任意に選んでおいた1人に遺言者の死亡と遺言が保管されている旨が通知されます。ここが公正証書遺言と異なる特筆すべき点です。公正証書遺言が作成されていても、相続人らがそのことを知らず遺言はないものとして相続手続されてしまうことがしばしばあります。しかし、この自筆証書遺言書保管制度では遺言者が亡くなると死亡の事実と遺言の存在が相続人等に通知されます。これは今までにない画期的な制度だといえます。専門家の予想をこえる内容で、遺言普及について法務省の本気度が伝わってきます。
ただし、この「死亡時の通知」の運用は令和3年度以降頃からの予定とされています。
遺言者が亡くなると、相続人・受遺者・遺言執行者は、「遺言保管事実証明書」の請求を遺言書保管所に対してすることができます。
もし、遺言書が保管されていることがわかれば、「遺言書情報証明書」を請求します。
「遺言書情報証明書」申請の添付書類として、被相続人の出生から死亡までの戸籍・相続人全員の戸籍謄本・相続人全員の住民票の写し(作成後3か月以内)・手数料1通1,400円が必要です。
この「遺言書情報証明書」の請求がされると、請求者以外の相続人等へ遺言書を保管している旨が通知されます。
したがって、遺言がある旨が相続人全員に知られることになります。この点が公正証書遺言とは異なります。
この「遺言書情報証明書」を使用して、相続による不動産の名義変更や預貯金の解約などの相続手続きをします。自筆証書遺言の原本は法務局に保管されたままですので使用しません。
なお、自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、遺言書の家庭裁判所での検認手続きは不要です。検認とは、遺言の内容を明確にして偽造・変造を防止するための手続きです。
通常、自筆証書遺言は、発見されると開封する前に家庭裁判所で検認手続きをしなければなりません。しかし、自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、作成時に遺言書を法務局(遺言書保管所)が確認しているから検認が不要なのです。
自筆証書遺言の検認には原則相続人全員が家庭裁判所に集合しなければなりません。そして、この検認には通常1~2か月を要します。自筆証書遺言書保管制度を利用すればこの検認が不要であるといことは相続人等にとってはかなりの負担減です。
以上が、自筆証書遺言書保管制度の簡単な内容です。
次回のコラムでは、この自筆証書遺言書保管制度と公正証書遺言を比較してどちらがいいのか比較してみたいとおもいます。
遺言書の作成につき不安な方は専門家に相談してみてください。
共有名義の農地(田・畑)を単有名義にしたい
親族の共有名義(所有者が2人以上)の農地を単有名義(1人の名義)にしたいという相談をしばしば受けます。
農地が市街化区域にあればいいのですが、市街化調整区域にある場合、農地を処分(売買・贈与)することは非常に困難です。市街化調整区域にある農地を処分(売買・贈与)するには農地法の許可が必要なのですが、この許可を得ることができない場合が多いからです。この農地法の規制は、国民の食生活を安定させるため農地を確保する必要性があるからです。
市街化区域とは、市街化を促進している地域です。イメージとしては商業施設や住宅が密集している地域です。市街化を促進しているので農地を保護する必要はなく農地を転用・処分(売買・贈与)するにも農地法の許可は必要ありません。
ただし、届出が必要です。届出は報告のようなものですので拒否されることはありません。
市街化調整区域とは、市街化が進まないように抑えるため農地や自然を保護することに重点が置かれた地域です。ここでは原則家を建築することができません。そして、農地を保護するために農地を転用・処分(売買・贈与)するには農地法の許可が必要となります。しかし、この許可を得ることが非常に困難な場合が多いのです。
農地法の許可が得られなければ、農地を農地以外に転用したり、売ったり贈与したりすることはできません。
そこで共有名義の農地について上記のような「なんとか親族の共有名義(所有者が2人以上)の農地を単有名義(1人の名義)にできないか」という相談があるのです。
その農地が市街化調整区域にあり処分(売買)できないので、せいぜいその管理の負担を1人にしたいということです。このまま何年・何十年も放置しておくと相続が重なり所有者が何十人にもふくれあがり厄介なことになるのです。
なお、農地が共有の場合、先代の相続の際に相続人の共有名義にしてしまったことが多いです。
本題に入ります。
まず、農地を他の共有者に譲渡する場合にも上記農地法の許可が必要です。
では農地法の許可が得られない場合、共有者から他の共有者への名義変更は不可能なのでしょうか?
実は、可能です。その方法は、「持分放棄」をするのです。不動産の共有者が持分放棄すると他の共有者に持分が移転するのです。これは民法という法律で決められています。もし3人の共有不動産で1人が持分放棄をすると他の共有者の共有持分の割合に応じて帰属することになります。この持分放棄の場合には農地であっても農地法の許可はいりません。
なぜ農地を売買・贈与する場合には農地法の許可が必要であるのに、持分放棄の場合には許可は必要ないのでしょうか?
それは、持分放棄は譲受人の承諾が不要な単独行為だからです。売買・贈与は、譲渡する人と譲受ける人の両者の合意がなければ成立しません。しかし、持分放棄は放棄する人が単独でおこなえるのです。他の共有者の意思に反してもできるのです。農地の相続の際に農地法の許可が必要ないのも相続は名義人が亡くなると当然に発生し相続人の合意は必要ないからです。つまり農地法の許可が必要なのは、そこに「譲受けます」という当事者の意思が介在する場合だけなのです。当事者の意思がないものを取り締まっても意味がないからです。
以上のように、農地が2人以上の共有名義であるときに1人の単有名義にしたい場合、手放したい人が「持分放棄」すればいいのです。
なお、単有名義(1人所有)の不動産は放棄できません。所有者がいなくなっては管理する者がいなくなり困るからです。あくまで共有名義の不動産だけのおはなしです。
なお、持分放棄でも贈与税の対象になることに注意してください。持分放棄は実質的に贈与とかわらず、贈与税の潜脱を防ぐためです。
まとめ
・共有名義の農地で、ある共有者が持分放棄をすると農地法の許可がなくても他の共有者に持分が移転する。
・持分放棄でも贈与税の対象になる。
農地の相続・名義変更について不安な方は専門家に相談してみてください。
親が亡くなる前に相続放棄はできるのか? ~その2~ 遺留分の放棄
前回のコラム「親が亡くなる前に相続放棄はできるのか?」の続きです。
前回のコラム「親が亡くなる前に相続放棄はできるのか?」では親の生前に相続放棄はできない旨を述べさせていただきました。
相続放棄は、親が亡くなった後でないとできないのです。
では、親の生前に法的に一切遺産を引継がなくする方法はないのでしょうか?
実は、近い効果が得られる方法があります。
「遺言」と「遺留分の放棄」という制度を使うのです。
まず、親が財産を引継がせたい子に相続させる旨(引き継がせたくない子に相続させない旨)の遺言を作成します。
これだけですと、子には遺留分という最低限保障されている相続分があるので、親が亡くなった後に子が遺留分の請求をした場合、その子に遺産の一部が渡ってしまいます。
それを防ぐために、「遺留分の放棄」という制度を使います。
遺留分の放棄とは、読んで字のごとく遺留分を放棄することです。相続放棄と異なり、遺留分は相続開始前に放棄をすることができます。
なぜ生前の相続放棄が認められていなのに遺留分の放棄が認められているかといいますと、相続発生後のトラブルを回避するためです。よくある例は、長男に家業を継がせたい場合、長男に相続させる遺言を作成したうえで次男や長女に遺留分の放棄をさせるのです。
遺留分の放棄は、遺留分という重要な権利を失うことになるので生前にするためには裁判所の許可が必要となります。
この裁判所の許可を得るための要件は以下の3つです。
① 自由な意思によること
② 必要性や合理性が認めらること
③ 充分な代償がおこなわれていること
①の「自由な意思によること」とは、親などに強要されていないかということです。
②の「必要性や合理性が認めらること」とは、なんとなくや親の金などあてにしないなどの感情論ではダメで「会社を引継がせる」などの理由が必要です。
③の「充分な代償がおこなわれていること」とは、遺留分相当額の生前贈与などがされていることが必要ということです。遺留分という重要な権利を放棄させるのですからその代償が必要ということです。したがって、次男は腹がたつから生前に代償は払いたくないが遺留分の放棄をさせたいというのは通らないということです。また、遺留分放棄させるときに代償に払う財産がないとできません。結婚を認めるなどの財産的価値のないものはダメです。
この③の要件が遺留分の放棄を妨げる最大の要因です。
実際に遺留分放棄はあまり使われていません。
注意しなければならないのは、遺留分の放棄をしたとしても、相続放棄ではないので相続権は失わないということです。つまり、遺留分の放棄をさせたとしても遺言を作成しておかないと、亡くなった後に相続の権利は主張できてしまいます。遺言で次男・長女の相続権を奪ったうえで遺留分の放棄をさせないと意味がなくなってしまうのです。
また、債務(借金)については遺留分の放棄をしかつ遺言により自己の取り分がなかったとしても法定相続分通りに相続されることになります。
債務(借金)については相続開始後に相続放棄するしかありません。
まとめ
・親の生前に相続放棄はできないが、遺留分の放棄はできる
・遺留分の放棄はあくまで遺留分だけを失わせるもので相続権は失わない。相続権も無くしたいなら遺言を作成すべき
・親の生前に遺留分の放棄をするには裁判所の許可が必要だが、許可要件として充分な代償が必要(生前贈与など)
・遺言があり遺留分の放棄をしても、債務(借金)は相続してしまう。相続開始後に相続放棄するしかない
不安な方は専門家に相談してみてください。
親が亡くなる前に相続放棄はできるのか?
「親が亡くなる前に相続放棄したい」と相談されることが結構あります。
相続放棄とは、亡くなった者のプラスの財産とマイナス財産を含め一切の相続の権利を放棄することです。裁判所に対しその旨申述します。
親が亡くなる前に相続放棄はできるのでしょうか?
結論からいいますと、できません。
相続放棄は、被相続人が亡くなってからでないとできないのです。
相続開始後に相続放棄ができるのに、なぜ生前に相続放棄をすることはできないのでしょうか?
「相続権というのは相続が開始しないと発生しない、すなわち生前は相続権がないのでないものを放棄できない」と説明されることが多いのですが、なんだか屁理屈のようにかんじますよね。
相続権という重要な権利を他の相続人や被相続人などから放棄を強制されることを防ぐため、という理由がしっくりくるでしょうか。
実際に、親が亡くなる前に子が「相続放棄する旨を書いた書面に署名して印鑑を押す」というような念書のようなものを作成することがおこなわれています。
しかし、そのような書面に法的な効力は一切ありません。そのような書面を作成していたとしても相続する権利は失わないので、相続開始後に相続分の請求をすることができます。つまり「やっぱり遺産が欲しいから下さい」といえばもらえるのです。裁判になったとしてもそのような書面に法的な効力はないので相続分はもらえます。
まあ、このような書面を作成しておけば相続権の主張をすることにためらいを感じ心理的な効果はあるかもしれませんが。
では、親が亡くなる前に法的に一切遺産を引継がなくする方法はないのか?
実は、近い効果を得られる方法があります。
その方法は長くなるので次回のコラムでおはなしさせていただきます。
まとめ
・親の生前に相続放棄はできない
相続放棄について不安な方は専門家に相談してみてください。
遺産分割協議が終わったあとに遺言書が見つかったらどうなるのか?
遺産について相続人全員で遺産分割協議をおこない遺産分けが終了しました。
しかし、その後に遺言書がみつかることがあります。
この場合、すでに終えた遺産分割協議はどうなるのでしょうか?
まず前提知識として、遺言は遺産分割協議に原則優先します。遺言があれば原則そのとおりに遺産分けをしなければなりません。亡くなった遺言者の意思を第一に尊重するためです。
しかし、これには例外があります。
遺産分割協議終了後に遺言がみつかった場合、遺言の内容によりどうなるのか結論が異なります。
まず、遺言の内容が、遺産を相続人ではなく第三者(甥・姪や愛人など)に承継させる内容だった場合についてです。
この場合、すでにおこなった遺産分割協議は無効となります。遺言の内容通りに手続きし直さなければなりません。遺産を承継する第三者の利益を害することはできないからです。遺言者の意思を尊重するというわけです。もちろん、その第三者が放棄をすれば別ですが。
次に、遺言の内容が、遺産を相続人だけに承継させる内容だった場合についてです。
この場合、相続人全員が遺言の内容ではなく遺産分割協議の内容で了承するのであれば、すでにおこなった遺産分割協議は有効です。すでにした相続手続きをやり直す必要はありません。
しかし、相続人の中に遺言があるのなら遺言の内容に従うべきと考える者が一人でもいるのなら遺産分割協議は無効です。遺言の内容通りに相続手続きをし直さなければなりません。
ただ、遺言の内容に子供の認知などが含まれていた場合、すでにおこなわれた遺産分割協議は無効です。遺産を取得する認知された子の権利が害されるからです。
また、あとから発見された遺言書に「遺言執行者」が定められている場合には、この遺言執行者の判断に委ねられます。遺言執行者が遺言通りにすべきと考えればそれに従うことになります。
なお、相続人が遺言書を隠していた場合などには、その相続人は相続欠格となり相続権を失います。もしその相続欠格者に子がいればその子が代襲相続人となります。この場合、相続人自体がかわってきますので以前の遺産分割協議は相続人でない者が協議に参加していたことになり無効となります。代襲相続人を含め再度遺産分割協議が必要となります。
遺産分割協議と遺言について不安な方は専門家に相談してみてください。
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